新しい横浜市役所から神奈川県庁方面へと向かって本町通りを歩くと、右手に現れるのが、時計塔をもつ横浜市開港記念会館です。私は長い間、この建物は今とは違う何かの目的で建設されたものが、転用されて「開港記念会館」を名乗っているのだと思い込んでいました。
でも、この建物は1917年に建てられて以来、ずっと会館(公会堂)なのですね。1923年の関東大震災で大部分が焼失しながらも、復元されて今もこの地に建ち、中区の施設として利用されています。中区の人が、うらやましい。
県庁前の交差点を渡って、時計塔を眺めます。これが横浜市開港記念会館の「正面」という理解で合ってるのでしょうか。この時計塔は「ジャック」として知られています。
ちなみに、入り口は時計塔の左脇です。2027年には、関東大震災後の復元から100年を迎えます。
斜向かいは言うまでもなく、神奈川県庁です。
1928年竣工、ライト様式で均整のとれた外観です。これが当時の流行だったのですね。ちなみに、横浜市開港記念会館も神奈川県庁も、原案はコンペで選ばれたそうです。
私は神奈川県民なのですが、県庁に入ったことは一度しかありません。職場近くにある都庁のほうがずっと馴染みがありますが……でも、この美しい県庁の存在は、誇らしく思えます。
神奈川県庁の党は「キング」とされています。
情報源: キングの塔(神奈川県庁本庁舎)へようこそ! – 神奈川県ホームページ
情報源: 神奈川県庁舎 | OBAYASHI Thinking|大林組
さて、ジャックとキングがあれば、もちろんクイーンもあります。
それは、県庁から歩いてすぐの横浜税関。県庁から赤レンガ方面へ歩いていくときに、通りますね。本当は正面を撮りたかったのですが、この日は人が多すぎて断念。でも、この角度の眺めも美しいし、背後の増築部分との関係もわかります。
「イスラム寺院風」と形容される、横浜税関の塔。この下で「密輸の手口」とか「知的財産侵害物品」とかが展示されてると言うのも、面白いです。一度ちゃんと入ってみたいのですが、今回は(も)外から眺めて終わりです。
リンク: 横浜税関本関庁舎 横浜市
リンク: 資料展示室のご案内 : 横浜税関 Yokohama Customs
横浜には、この三塔以外にも歴史的建造物がたくさんあります。建て替えの際に低層部分に旧建物を復元したものも多いのですが、おかげで街の至るところに重厚感のある建物が存在し、景観を作っています。