TREK(トレック)のロードバイクラインナップの中では、エントリーグレード寄りの位置付けとなる「Domane AL 3 Disc」を購入しました。せっかくなので、どんなロードバイクなのかを紹介しましょう。

Domane(ドマーネ)と名付けられたシリーズは、エンデュランス系、つまり長距離のサイクリング(ロングライド)に適した設計が特徴です。その中でも、カーボンフレームとアルミフレームに大別されます。
カーボンのDomaneは、快適性を重視しつつもレースバイクとして活躍します。一方でアルミのDomane ALは、エンデュランス系ならではの乗りやすい設計と高い快適性ゆえにビギナーにおすすめされ、そして選ばれることが多いと言えるでしょう。
Domane ALのラインナップは、リムブレーキモデルがAL 2、そしてディスクブレーキがAL 2 Disc/AL 3 Disc/AL 4 Disc——となっています(TREKの場合は数字が大きいほど上位グレード)。Domane AL 3 Discは、シリーズの中では「真ん中」に位置します。価格は197,890円(税込)です。

今回私は「現代的な規格を採用した、かつ気軽に扱えるロードバイクが欲しかった」ことが理由で、このDomane AL 3 Discを購入しました。それが具体的にはどういうことなのかは、この記事で後ほど触れることとしましょう。

フレームバッグやらボトルケージ&ボトルやらを装着した状態ですが、こちらがDomane AL 3 Discの全体像です。フレームサイズは「56」で、大きい部類です。ハンドル位置が高めになるように「ヘッドチューブ」が長めの設計となっていて、フレームサイズが大きいとその特徴が強調されて見えます。
フロントフォークはカーボン製ですが、ステアリングコラムはアルミです。

TREKは、エントリーグレードであっても見た目の質感が高い印象を受けます。それは、塗装によるところが大きいのではないでしょうか。今回選んだカラーはオーソドックスな「Trek White」ですが、ただのブラックだと思っていたロゴも、ごらんのとおり。



メインコンポーネントは、シマノ・ソラを搭載しています。ギアはフロント2×リア9の18速です。リア11速や12速の上位コンポーネントもよいのですが、今回の「気軽に扱える」という観点からすると、耐久性が高くチェーンも安価なリア9速くらいがちょうどよいのではないかと、個人的には思っています。
ちなみにペダルは、シマノのオンロード用SPDモデル「PD-EH500」を購入・装着しました(ペダルは付属しません)。

Domane AL 3 Discは、比較的安価なグレードということもあり機械式(ワイヤー引き)のディスクブレーキを搭載。TEKTRO(テクトロ)の「MD-C550」という、対抗ピストンのものが使われています。ディスクローターの径は、前後とも160mmです。
そして、ブレーキのマウントは「フラットマウント」、さらにアクスルは「スルーアクスル」を採用しています。このたりが「現代的な規格」です。


Domane AL DiscはグラベルもOKという位置付けになっており、700×32Cと太めのタイヤを装着しています。クロスバイクのような太さ——といって差し支えないかと思います。太めのタイヤを装着するため、ホイールのリムは太めです。
なお、フェンダー(泥除け)を取り付けなければ、タイヤの太さは35Cまで許容します。

バーテープは、ちょっとムチムチッとした握り心地のものです。握ったときに柔らかい感触があり、走行中も衝撃のダイレクト感を弱めてくれそうです。

サドルは、TREKの純正アクセサリーブランド「Bontrager(ボントレガー)」の穴あきタイプ。こちらも高い快適性が期待できます。



トップチューブやダウンチューブの下面に、アクセサリー台座(いわゆるボトルケージ台座)があります。ボルト留めタイプのトップチューブバッグを装着したり、ダウンチューブ下面にボトルケージを装備してそこにツールボトルを収めたりといった使い方ができるわけです。
また、フェンダーのマウントも備わっています(フェンダー装着時の最大タイヤ幅は32C)。


TREK/Bontragerが展開するアクセサリーシステム「Blendr(ブレンダー)」に対応しており、ステム前方にライトを装着できます(左写真)。装着しているのはBontragerのリモートコントロール対応ライト(の旧製品)で、リモートスイッチ(右写真)でテールライトも操作できるのが特徴です。
そんなDomane AL 3 Discですが、実際に乗ってみて感じたことを記しておきましょう。

持った感じはまあまあ重いですが、56サイズで10.3kg(カタログ記載値)なので、このクラスのディスクブレーキ搭載ロードバイクとしてはふつうか、ちょっと軽いくらいです。
走り出せば、ちゃんとロードバイクらしい軽快さは味わうことができます(もちろん、100万円以上するカーボンロードには敵いませんが)。ハンドル位置が高めなので前傾が少ない乗車姿勢で楽ですし、安定性も高いと感じます。ロードバイクの軽快感と、クロスバイクの安定感を併せ持っているとでも言いましょうか。
フレーム自体は丈夫なアルミでがっしりしているはずですが、乗り心地がよい印象です。衝撃を和らげるバーテープ、クッション性が高く痛みを感じにくいサドル、太くて空気量が多いタイヤ、カーボンフォーク——これらが相まった上での快適性でしょう。その中でも何がいちばん「効いてる」かと考えると、やはりタイヤではないかと思います。

機械式ディスクブレーキは、なじみが出てくるとそこそこ効くのですが、どうしても「そこそこ」の域を出ません。ブレーキの引きについても、個人的には許容範囲ですが握力が弱いと重たく感じるでしょう。制動力や操作性を理解した上で、安全なライドを心がけてほしいです。
ブレーキのことさえ心得ておけば、多くの人にとって乗りやすくて、ロードバイクデビューにぴったりな1台になるでしょう。もちろんビギナーだけでなく、セカンドバイク的な使い方にも合います。
Domane AL 3 Discの価格は、197,890円(税込)です。TREKに限らず、アルミフレームとシマノ・ソラ、そして機械式ディスクブレーキを搭載したロードバイクの価格が税込20万円に届こうかといった状況で、こればかりは「仕方がない」としか言えません。
4分の動画も用意しましたので、お時間あればどうぞ。
●TREK Domane AL 3 Disc(2023)
価格:197,890円(税込)
フレーム:アルミ
フォーク:カーボン
コンポーネント:シマノ・SORA
ブレーキ:機械式ディスク(Tektro・C550)
変速段数:2×9
前ギア:50/34T
後ろギア:11-32T(9S)
タイヤ:700×32C
リンク: Domane AL 3 Disc | Trek Bikes (JP)
[2022/12/20 追記]
動画を追加しました。
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