台北は雨だから晴天を求めて高雄へ – 徒歩とYouBike 2.0で散策する

一向に晴れない台北に少し嫌気がしたので、高鐡に乗って高雄を目指した話。

台北はこの日も雨だった。

季節的に多少の雨に降られることは覚悟していた12月の台北だが、さすがに4日目ともなると晴れ間が恋しくなる。

午前中は鉄道車両の工場跡を再生した鉄道博物館を訪ねてみたが、まだ絶賛整備中。調べてみると、本格オープンは2027年の予定で、現在は事前予約制の見学ツアーのようなものしかないらしい(そしてその情報も私は見つけ出せなかった)。

ただ、工員用の大浴場を改修した展示場はオープンしており、なかなか雰囲気のある展示が行われていた。

情報源: 日本の583系も展示、動き出す台湾「鉄道博物館」 JR東から譲渡受け所蔵車に、2027年開業目指す | 海外 | 東洋経済オンライン

そうだ、高雄行こう。

ひととおり見学して台北駅へ戻り、今日は何をするか策を練ることにしよう。

台中の記事にも出てきた台北駅の小さなフードコートに行き、小南門傳統豆花美食の隣にある売店で豆乳と豚まんを買って流し込みながら、どこへ行こうか考える。雨の九份もよいだろうとは思っていたが、ちょっと雨が強くてそんな気分でもない。

「そうだ、高雄行こう。」

思い立ったら、即行動。台北から高雄(左営)までを台湾新幹線(高鐡)で往復するなら、外国人向けの「台湾高鉄3日パス」が断然お得だ。大人NT$2,200で指定席に乗れる。台北から左営まで、片道NT$1,490だから、使わない理由がない。さっそくクレジットカードで購入する。

情報源: 台湾高鉄周遊券 – 台灣高鐵 Taiwan High Speed Rail

が、落とし穴があった。高鐡周遊券は、購入した「翌日以降」に使えるのだった。座席の指定を受けようと向かった窓口で判明。しかたなく、Webサイトからキャンセルした。

まあ通常の運賃で乗っても、1時間半・340kmほどの距離を乗車してNT$1,490、日本円で7,060円しないので(本稿執筆時点)、ここは「まあ、しかたないか」と思うこととする。っていうか、台湾って公共交通が安すぎないか。

待望の晴天

高鐡を終点の左営まで乗り、MRTに乗り換える。

高雄駅は通り過ぎて、目指したのは西子湾(せいしわん)。海が見たかったからだ。

MRTの西子湾駅を出てすぐのところに、LRTの駅があった。そして駅前には貨物ヤードの跡が整備された公園「哈瑪星鉄道文化園区」があって、空が広い。ポツポツと、鉄道車両が保存されている。

この青空を、待っていた。ちなみに哈瑪星鉄道文化園区の周辺は、港側も陸側も、倉庫をリノベしたおしゃれスポットが並んでいた。規模感は異なるが、なんとなく以前訪ねた日本の清水港と、やっていることが似ていると感じた。

そして、真新しいLRTが走り回る。よく見れば架線がない。バッテリー式か。このあたりはGoogleマップのストリートビューが10年近く更新されておらず、この光景は予習ができなかった(まあ、実はAppleのマップにはLook Aroundがあるのだが)。

とりあえず海が見たいので、街並みの写真を撮りながら、徒歩で「西子湾展望台」を目指す。途中、2024年・新年のあいさつに用いる写真を得た。

海防の拠点跡「雄鎮北門」

そして「雄鎮北門」という場所に辿り着く。

清の時代に作られた、海防の拠点だという。後から調べたら、だいぶ殺風景になっていたものをきれいに整備したばかりのようであった。

砲台と、西子湾の灯台。砲台の向こう側を下に降りれば、西子湾展望台だ。

展望台というか、デッキというか。それにしてもダイナミックな景色だ。向こうには、旧英国領事館や大学があるという。また、軍事施設や旧日本軍の要塞跡などもあるようだ。

風が強めだったが、せっかくの日差しなので、十分に浴びた。

YouBike 2.0が活躍

西子湾展望台に、台北でおなじみのシェアバイク「YouBike」のポートがあった。貸し出しシステムがアップデートされた「YouBike 2.0」だ。

徒歩で西子湾駅まで戻るのが少々面倒くさいなと思っていたので、クレジットカードで一時利用にチャレンジした。YouBike 2.0の体験談は、姉妹サイト「CyclingEX Classic」に掲載している。

高雄のLRTは、貨物線の廃線跡を活用している。廃線跡はLRT整備前に自転車道として活用されていたらしく、LRT開業後も線路脇が自転車通行可能な遊歩道として整備されていた。その遊歩道を通るなどして、哈瑪星鉄道文化園区をポタリングする。

こういうのを見ると、海外に来てるんだなと実感。

哈瑪星鉄道文化園区で鉄分補給

ポートにYouBike 2.0を返却し、夕方の光線となった哈瑪星鉄道文化園区で、保存されている車両を撮ってみた。西子湾駅に着いたときから気になっていたのが、これ。

これは日本から台湾に運ばれた蒸気機関車だなと思いその場で検索すると(便利な世の中)、上の2枚は日本の「C55」、下の後ろ向きの1枚はデゴイチでおなじみ「D51」とわかった。

真新しいLRTと蒸気機関車、そして寂れた貨物駅のコントラスト。その中を、ムクドリが元気に動き回る。


台北に戻るためにふたたび高鐡の左営駅へ向かい、とりあえず帰りの指定席を確保するが、混雑しており少し後の列車となった。しかし高鐡の左営駅、お店もコンビニも少ない。お腹も空いているしできれば何か食べておきたい思いウロウロすると、なんのことはない、隣接する台鐡・新左営駅のほうに飲食店街があった。

この旅で何度目かの牛肉麺を食べて、あとは高鐡でウトウトしながら台北に戻るだけだ。

投稿者: wagtail_sugai

須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれの町田市育ちで、現在は川崎市在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。クロスバイクと小田急ロマンスカーが好き。