一部オープンでも見所満載の台北・国家鉄道博物館

台北にある台北機廠こと国家鉄道博物館は、日本統治時代に設けられた鉄道車両等の工場跡地を博物館として整備したものだ。順次整備・公開が行われていて、現在の公開エリアはいわば「第1期」となるが、その展示内容はとても部分オープンとは思えない充実ぶりだ。

現在公開されているエリアは「整備工場」というテーマになっており、中に入ると大きなクレーンが出迎える。

建屋に入って振り返ると、大きなクレーン

そして最初に目に留まるのが、整備中のイメージで並べられた、鉄道車両の重要な部品たち。

ディーゼル機関車のエンジンやピストン、電車の主電動機など。そして台湾では柴電機車と呼ぶ電気式ディーゼル機関車の電動機は、とんでもない大きさだ(写真下段右)。

さて、柴電工場というだけあって、メインイベントのように展示されているのが、電気式ディーゼルの支線用&入換機であるS200型。

クレーンでボディが吊り上げられて、内部が見えるようになっている。

以前に台中で保存されている本線用のR100型を見たことがあるが(記事)、あれはホームの高さから。こうやって地面から見上げると、また違った迫力がある。

この額物間には、台鐵以外の車両も保存されている。

製糖が盛んな台湾には、さとうきび畑や製糖工場にも鉄道が張り巡らされていた。そこで働いていた蒸気機関車は、動輪が動く状態で保存されている。また、鉱山で使われる小さな電気機関車を再現したものも展示されていた。

こちらは、タイ国鉄の緩急車。台湾で製造されたらしい。そして、その先にあるのは……

そう、日本の寝台電車・国鉄583系の中間車が保存されている。台湾に縁もゆかりもないわけだが、こうして異国の車両が見られるのは面白い。しかも、私は583系を今までこんなに間近に見たことがなかった。台湾で、こんなふうに出会えるなんて。

側面の行き先表示器は「わくわくドリーム号 舞浜」。

583系の向かい側には、台湾の旅客列車が展示されている。

荷物車の積荷が、リアル。車内の扇風機は触れる近さだが、なんと回っている。日本では考えられない。

無料で入れる別棟も巡ってみた。

車両以外の資料展示も豊富で、ここで働く人のための浴場まで保存・公開されている。

映像資料には、日本製と思われる蒸気機関車が。台湾向けのC57かな?

まだ公開されていない「組立工場」エリアは、扉が開放されていて中を窺い知ることができる。

特急電車「自強号」と、区間車の電車。こちらのオープンが楽しみだ。

最後に、この博物館でいちばん人気のアトラクションを紹介。古いディーゼルカーが、構内で動態保存されている。時間が指定されたチケットを予め購入することで、乗車できる。

日本でいうところの「昭和レトロ」のような雰囲気。ものすごくゆっくりとしたスピードだが、窓が全開だからディーゼルエンジンの音がよく聞こえて、雰囲気は満点だ。博物館の東から西へと、西から東への2ルートが発売されるので、乗り場を間違えないように。

「第1期」でこれだけ見所があるのなら、すべてのエリアが公開されたときにはどんな規模になるのだろう? そのときは、ぜひまた訪れたいと思う。

ガイドブック的な記事としては、下記の「台湾に行きたいわん!」の記事がまとまっていて、わかりやすい。

情報源: 国家鉄道博物館 第1期エリアオープン!日本時代建設の旧鉄道工場で遊ぼう! – 台湾に行きたいわん!

リンク: 国家鉄道博物館 公式サイト

投稿者: wagtail_sugai

須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれの町田市育ちで、現在は川崎市在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。クロスバイクと小田急ロマンスカーが好き。