「がくてつ機関車ひろば」で古い電気機関車を眺める

JR東海道線の吉原駅から伸びる岳南電車の岳南鉄道線は、かつて貨物輸送で賑わったミニ私鉄。貨物が廃止された現在では、1〜2両編成の電車が10km足らずの距離を行ったり来たりしています。

10月のある日、そんな岳南鉄道線を訪ねてみると「富嶽奇譚」なるヘッドマークを付けた単行(1両)の電車が。イラストレーター・シラノ氏がデザインしたヘッドマークで、このエリアの史跡を巡るデジタルスタンプラリー企画のようです。

ヘッドマークの掲出は、2025年10月末まで。

源頼朝、曽我十郎祐成、曽我五郎時致の3人を、本イベント用に描き下ろしで、イラストレーターのシラノ氏に制作を依頼しました。『吾妻鑑』や『曽我物語』などで語られる3人の性格や容姿、当時の装束を参考にしつつ、独創的な表現を掛け合わせたキャラクターデザインとなっています。

情報源: 富嶽綺譚 頼朝&曽我兄弟と巡るデジタル史跡ラリー | 静岡県富士市

オリジナルデザインヘッドマーク 期間 2025年9月20日(土)~10月末(予定) 掲出車両 7000形車両1編成 ※車両の運用・検査等により期間内であっても運行しない場合があります。

情報源: 富嶽綺譚 頼朝&曽我兄弟と巡るデジタル史跡ラリー開催記念 タイアップ商品発売決定 | 岳南電車株式会社

乗車すると、中はハロウィンの飾り付けがありました。

かつて京王井の頭線を走っていた電車を活用した車両には、思いのほか途中駅での乗降があります。路線バスのようなイメージでしょうか。

さて、今回私がやってきたのは、途中駅の岳南富士岡です。

岳南富士岡には、貨物輸送が行われていた時に使われていた電気機関車が展示されています。

リンク: がくてつ機関車ひろば | 岳南電車株式会社

左側の2両は、パンタグラフが上がった状態でかっこいい(もちろん通電はしていない)。

いちばん見たかったのは、左列手前のED501でした。

1928年2月川崎造船所(現川崎重工)で製造。上田温泉電軌(現上田交通)にてデロ301として新製。

情報源: がくてつ機関車ひろば | 岳南電車株式会社

1928年と言ったら昭和3年。もう少しで製造から100年ですね。同じ形の機関車が、筆者の地元である小田急線でも使われていたそうです。残念ながら現存しませんが。

そしてこちらのED29 1は、昭和元年の末に豊川鉄道(現在のJR飯田線)のために製造された機関車。なんとED501より古い!

奥の2両は、ちょっと近代的……といっても、十分に昭和レトロなルックスのED402とED403で、それぞれ1965〜66年製。ということは「アラカン」ですね。ED403は、岳南鉄道線の貨物輸送における主要な荷主であった、日本大昭和板紙吉永株式会社(現在は日本製紙に吸収合併)のカラーで保存されています。

ローカル私鉄ゆえ、貨物用の機関車もいろいろな鉄道会社で使われたものが集められているのが、面白いところ。かつては元小田急の機関車もあったそうです。

機関車を眺めた後は駅周辺をなんとなく散策し、来た時と同じ車両に乗って、吉原駅に戻りました。

吉原駅の跨線橋からは、製紙工場がよく見えます。

リンク: 岳南電車株式会社

投稿者: wagtail_sugai

須貝 弦(すがい・げん):1975年東京都新宿区生まれの町田市育ちで、現在は川崎市在住。雑誌原稿の編集・取材・執筆の他、企業Webサイトやオフィシャルブログの制作にも携わる。クロスバイクと小田急ロマンスカーが好き。