「えっ!? 自転車持って乗ってくるの?」
誰も言葉を発しなかったが、周囲からはそんなふうに思われているような気がした。しかし同時に「ふーん、あ、そう」と、思われている感じもした。

2023年12月、私は台北の松山駅から桃園方面へと向かう通勤電車(現地では「区間車」と呼ぶ)に、クロスバイクをそのまま持ち込んでいたのだ。
平日の午前9時頃、東京のラッシュアワーよりは空いているけれど、それなりの乗客がいる。しばらくすると、乗務員が何やら話しかけてきた。言葉はわからないが座席を指し「その空いているところに座って、手で自転車は押さえてて」というようなゼスチャーをしたので、そのとおりにする。

台湾の在来線「台鐡」では、自転車をそのまま持ち込むことができる。すべての駅・すべての列車とはいかず、例えば台北駅は対象外。台北市内からならお隣の松山駅が便利だ。対象となる列車は台鐡のWebサイトで検索できる。自転車をそのまま持ち込む際の料金は、大人の半額だ。チケットは、駅の窓口や自動券売機で購入する。
情報源: 国営台湾鉄路股份有限公司_トップ>一般乗車券の予約>自転車 列車時刻/列車番号照会
(ちなみに台鐡のWebサイトで時刻検索をするときは、駅名を手打ちするのではなく「駅コード」を検索するのが確実だ)

とある駅で下車。橋上駅舎には階段で上がっていくが、いちおうタイヤを乗せる溝があって、押し歩きしやすいようになっている。ただ、駅の自動改札機などは決して自転車で通りやすいようになっているとは限らず、ちょっと取り回しに苦労する場面もあった。

実はこの日、出先ではステインサイクルズ(stijncycles)の「Peg」をお借りしたので、クロスバイクはただ「台鐡に自転車をそのまま載せる」というためだけの存在だったが、新たな経験値を獲得できたのは大きい。
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なんと車内に縦置き自転車ラック装備。ただし、いったん自転車を縦にした状態で持ち上げて前輪を引っ掛けるという芸当を要求されるため、小柄な人であったり、自転車が重量級である場合はちょっとしんどいかもしれない。
ともかく、台湾旅行に自転車を持っていくなら、台鐡の列車に自転車を載せられることを知っておいて損はない。
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