駅前に、商店街に、街道沿いに。昭和の頃から、どこにでも当たり前にある赤い暖簾の中華料理店。週末のサイクリングに出かけたあとは、そんな「町中華」で遅めのランチを楽しむのが密かなお気に入りだ。
華やかさ、お洒落さとは一切無縁。身なりを気にせず、ひとりで店に入り、サイクリングで空になった腹を満たす。そこには誰にも・何にも気兼ねすることのない、直球の幸せがある。(写真・文:@nadokazu)
横浜市鶴見区の自宅から多摩川沿いのサイクリングロードと「西武多摩川線サイクルトレイン(※)」を使って「多摩湖自転車歩行者道」に向かった。


※西武多摩川線では、自転車をそのまま電車に乗せることができる「サイクルトレイン」を実施している。土日は終日利用可能。
西武多摩川線サイクルトレインご利用案内(PDF)
https://www.seiburailway.jp/cycletrain/
武蔵野の住宅街を貫く、約10kmのサイクリングロード「多摩湖自転車歩行者道」。多摩湖まで延々と続く直線道路を楽しんだ帰路で、西武多摩川線の新小金井駅近くにある町中華「境軒」に入った。
武蔵境からひと駅しか離れていないのに、新小金井の駅前は驚くほどひっそりしている。西武鉄道の公式発表によれば乗降人員は約3,000人/日と、西武鉄道のすべての駅の中でも屈指の少なさだ。
駅前商店街も、住宅街との境界が曖昧に感じてしまうほどの、こじんまりした規模。そんな場所に、境軒は暖簾を出している。

以前は食品サンプルが並んでいたであろうショーケースには、鉄道模型が展示されていた。店に入ると、壁のあちこちに額に入った鉄道写真が飾られている。ここの店主は、鉄道がお好きなのだろうか。
エアコンの風が当たる席を選んで着席し、冷えた身体を温めつつチャーハンと餃子をオーダー。これで半ラーメンがあれば追加で暖をとれたのだが、メニューにはなかった。少々残念ではあるけれど「ここは自転車でカロリーを消費したことを口実に食べ過ぎることを防いでくれた」と考えることにしたい。

ほどなくして、注文した2品がテーブルの上に置かれた。定番としてはグリーンピースが置かれるであろうセンターには、海老がいる。そしてご飯の隙間に見える黒いものは、椎茸だ。一般的にはチャーシューが担っているであろう味の背骨が、椎茸の旨味で形作られている。「普通のチャーハン」の域を出るものではないが、この店ならではの味わいが感じられるのも確かだ。
ちなみに、このチャーハンにチャーシューは入っていなかった。

長年使い込まれたであろう皿には、雷紋(中華柄のこと)と店名が書かれている。今ではあまり見なくなったが、この店名入り食器は「これぞ町中華!」を感じさせるアイテムのひとつだ。
天板が赤く塗られたテーブル、入口のショーケース、扉の模様も含めて、この店は「町中華」として100点満点の店ではないだろうか。
●今日のサイクリングコース
多摩湖自転車歩行者道
https://e-yamato.or.jp/city/bicycle/


●中華料理 境軒
東京都小金井市東町4丁目20−3 佐藤ビル
[食べログ] https://tabelog.com/tokyo/A1325/A132501/13105966/
●今日使った自転車:Tyrell FX
愛媛県の自転車メーカー「アイヴエモーション」による、折り畳み自転車。特徴的な「スラントデザインフレーム」にロードバイクと同じコンポーネントを装備して、小径折り畳み自転車ばなれした走行性能を誇る。
https://www.tyrellbike.com/
@nadokazu
WEBディレクター/コピーライター。上級ウェブ解析士。フリーランスになって好きな時間に自転車乗り放題の毎日!を目論むが、結局は会社員時代とちっとも変わらないリモートワーク漬けの日々を過ごしている。平日夜はロードバイクでZWIFT。週末は、折り畳み自転車で輪行プチ旅を楽しむ。
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