週末はサイクリングと町中華(1)気取らない、ざっかけない。遠慮とストレスがない。

「町中華」。駅前に、商店街に、街道沿いに。どこにでも当たり前に店を構えている、昭和の頃から続いているであろう赤い暖簾の中華料理店。ショーケースには埃まみれのサンプルが並び、店内には赤いテーブルと積み上げられた週刊誌。

この頃、週末のサイクリングに出かけたあとに向かうのは、決まってそんな「町中華」である。サイクリング中に撮った写真を眺めながら、ひとり遅めのランチを楽しむのが密かなお気に入りだ。

(写真・文:@nadokazu)

以前であればサイクリングに出かけるとしたら、あらかじめ店にはアタリを付けておくことが多かった。しかし町中華がマイブームになってからは(少なくとも飲食店について)、一切の事前リサーチをしていない。

いくらアタリを付けても、店が閉まっていたり、行列だったり、実は期待外れだったり。結局は、調べた労力が無駄になる。そんな経験を、少なからずしてきた。「いい感じの店」を選ぶことに拘って、結局ランチを食べ損ねた…ということもあった。

それが「町中華」であれば、どんな場所にも大抵は店を構えているので、食いっぱぐれの可能性は限りなく低い。そこに加えて街並みに溶け込んだ店に出会う、「思わぬ発見!」の楽しみまでプラスできるのだ。

事前調査の手間暇をかけることなく、サイクリングの「シメ」にプラスできる小さなエンターテインメント。それが自分にとっての、「町中華」の魅力のひとつである。

ピカピカに磨き上げられた店内、こだわりの什器。店主の選び抜いた素材で、丁寧に作られた一皿。明るくてオシャレな、サイクリストのための隠れ家。そんな店で過ごすのが、楽しく、美味しい時間であることに異論は全くない。

とはいえ、こちらは容姿については直接的な言及が憚られる、押しも押されぬ中高年男性である。しかも自転車で走り回って汗を掻いたあとの、清潔感にあふれたとは言い難い身なりだ。感じなくてもいいのかもしれないが、どうしても肩身の狭さ・気後れがある。

店に入る気後れや、遠慮の無さ。気楽さ。キラキラした世界観とは無縁の「町中華」は、「無駄なストレスを一切感じない」という点でも魅力的だ。

そんな町中華で注文するのは、「チャーハン」そして「餃子」に決めている。この2つのメニューであれば、プロが鍋を振るえば「美味しくなく作る」方がよほど難しい。実際、ハズレは滅多になく「どんな店に入っても、味については一定以上の満足が得られる」という安心感が担保できている。

ちなみに、これが「ラーメン」となると、どうしても専門店と比較することになって「町中華」は圧倒的に不利。半ラーメンが追加できるときに、オプションとして添える程度にしておくべき、というのが持論だ。

「チャーハン」「餃子」「半ラーメン」。いわば、町中華のフルコースを堪能しても、財布へのダメージは知れている。一点だけ「カロリーの摂り過ぎ」という懸念はあるが、サイクリング=カロリー消費の後である。これぐらいは、許されていいだろう。

駅近くの商店街に必ずある、特別感のない当たり前の存在。地元の常連さんが来ても、芸能人なんて絶対に来ない。華やかさ・洒落っ気とは無縁の「町中華」にフラッと立ち寄る。そこには一切の気負いを感じることなく、ガッツリ空いた腹を満たせる。そんな、剛速球ストレートの幸せがある。

自分はもはやサイクリングではなく、町中華が目的になってペダルを回しているのかもしれない。

@nadokazu

WEBディレクター/コピーライター。上級ウェブ解析士。フリーランスになって好きな時間に自転車乗り放題の毎日!を目論むが、結局は会社員時代とちっとも変わらないリモートワーク漬けの日々を過ごしている。平日夜はロードバイクでZWIFT。週末は、折り畳み自転車で輪行プチ旅を楽しむ。

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